製造工程

京鹿の子の出来るまで

着物イメージ

「京鹿の子絞」の特徴は、“疋田絞(ひった)”や“一目絞(ひとめしぼり)”など、その括り粒の精緻さと、鮮やかな多色を出すための“染め分け”技法から生まれる立体感ある美しさにあります。

また、この他のそれぞれの括り技法の組み合わせで、模様が表現されており、手仕事ならではの潤いや暖かさが生み出されているのが特徴のひとつです。

ものにもよりますが、デザイン決定から完成までには、普通の染物に比べ日数がかかります。

総絞りになると、デザインが決まってから仕上げまで1年半位。

総絞の振袖では、2年を越えるものも珍しくありません。

  1. 構図・デザイン

    製造問屋と絵師によって、構図・デザインが決められます。絵師は構図通りに着丈・身ごろにデザインがのるように下絵を描きます。

  2. 下絵型彫(したえかたほり)

    絞り下絵は、デザインにもとづいて、型紙に小さい円または細い線を彫り、型をあけていきます。

  3. 下絵刷込(したえすりこみ)

    型紙を使って、布地に刷毛で下絵を刷込みします。この下絵は型紙の穴や線でどのような技法を用いて括るかが判る仕組みになっており、加工技術の指図をするものです。又、型紙を使わず手描きする場合もあります。

  4. 絞括(しぼりくくり)

    絞括作業

    京鹿の子絞の代表的なものに「疋田絞」があり一般に「鹿の子絞り」といわれています。指先と絹糸だけを使って括る技法で、絞り目を一粒づつ絹糸で3回〜7回括り、小さな絞り模様の集合として一反の模様を構成します。絞り技法の中でも、最も技術力と時間を要します。

    その他、一目絞(ひとめしぼり)・縫い締め絞り(ぬいしめしぼり)・傘巻き絞り(かさまきしぼり)など、絞り技法は約50種類以上にのぼり、それぞれの技法毎に専門の技術職人がおり、絞括加工に携わります。

  5. 漂白(ひょうはく)

    布地に刷込んだ下絵の青花(あおばな)、その他の汚れを漂白します。

  6. 染め分け

    作業後の写真 帽子絞り 桶絞

    染色方法が浸染(しんせん)のため、染める色の数だけ“染め分け”を行います。防染方法には、大別して「桶絞」と「帽子絞り」があります。

    桶絞(おけしぼり)は専用の木桶の内側に防染部分を入れ木桶を密封し、染色する部分だけを桶の縁に出し、そのままの状態で染液の中に浸ける技法です。

    帽子絞(ぼうししぼり)は防染部分を竹の皮(近年はビニール)で覆い、更に糸を強く巻きつけて防染力を高め、染色する技法です。

  7. 染色

    染色作業写真

    一回の染色で一色しか染められないため、複数の色で染める場合は、色数分だけ“染め”を繰り返し行います。絞り染めは、“括り”という特殊な防染加工をしたものを染色しますので、生地を直接染液の中に浸けて染める“浸染”の方法がとられます。

  8. ゆのし仕上げ

    蒸気を当て、手作業によって不要なしわを取りのぞき、幅出し(はばだし)を行います。絞りの風合いを生かした仕上げをします。

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